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交通事故事例 事故は何故起こったか

《検証》

 

若者と危険予測

事故の概要
 平日の夕方、高校生のA君は、250ccのオートバイに乗って片側1車線道路を走行していた。オートバイの前には、ゆっくり走っている軽自動車(B車)があったが、軽自動車がさらに速度を落としたため、A君は追い越しをしようと考え速度を上げて、対向車線に出た。B車が速度を落としたのは、脇道に右折して入ろうとしたためであった。B車が右折を開始してA車の進路をふさいだのでA君は慌ててブレーキをかけたが、間に合わず、B車の右後部側面に衝突した。



事故の原因

 A君がB車を無理に追い越そうとしたことが事故の原因である。B車が減速したのを見て、B車が右折するのではないかと予測できなかったことが、この事故の発生した最も大きな原因であると考えられる。


この事故から学ぶこと

 経験の少ない運転者は、走ったり曲がったりすることはそれなりに上手であっても、危険を予測しながら運転することは苦手なようだ。また、自分の運転行動がどの程度危険であるかを正しく自己評価できない傾向がある。事故に遭わないためには、次にどのような危険が待っているかを予測しながら運転することが大事である。特に二輪車は素早く加速できるために、追い越しをしたり速度を出し過ぎたりするなどの無理な運転をしがちである。加速や追い越しをする前に、その運転行動の危険性を考えながら注意深く運転したい。

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飲酒運転事故

事故の概要
 平日の夜半近く、Aさん(51歳)が運転する普通乗用車は、片側1車線の県道を走行していた。右カーブに差し掛かった時に、Aさんは「大したカーブではない」と判断し、減速しないでカーブに進入した。しかし、このカーブは、Aさんが考えていたよりも急カーブであったため、Aさんはカーブを曲がりきれずに道路際の建物に衝突した。事故後にAさんの呼気を調べたところ、Aさんはかなり酒を飲んでいたことが分かった。


事故の原因

 Aさんが、カーブの曲がり具合についての判断を誤ったことが事故の原因であるが、酒を飲んでいて思考力が鈍っていたため、適切な判断ができなかったと考えられる。


この事故から学ぶこと

 飲酒運転事故は夜間に多い事故形態である。死亡事故を起こした運転者の中で飲酒ありと判断された運転者の割合は、夜間では23%に達しており、夜間に発生する交通事故の約4分の1は、飲酒がらみの事故であるといえる。酒を飲むと、判断に誤りが生じやすくなったり、判断に要する時間が長くなったり、警戒心が薄れて危険な運転をしやすくなるなどの特徴が現れる。これらのことが飲酒運転事故の原因になっていると考えられる。検問で警察官に捕まるか捕まらないかの問題ではなく、酒を飲んだ後に軽い気持ちで運転することが重大な結果を招くことをよく認識する必要がある。

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チャイルドシートの被害軽減効果

事故の概要
 休日の夕方、Aさん(31歳)が運転する普通乗用車は、片側2車線の国道を走行していた。後部座席にはAさんの友人が同乗しており、助手席にはAさんの1歳になる子供がチャイルドシートに着席して乗車していた。Aさんの車が、ファミリーレストランやディスカウントストアなどが沿道に並ぶ地域に差しかかった時、対向車線を走っていたBさん(19歳)の運転する乗用車が、他の車両を避けようとしてハンドル操作を誤り、センターラインをオーバーしてきた。AさんもBさんも回避操作をすることができずに、2台の乗用車は衝突した。この事故により、Aさん、Aさんの車の同乗者及びBさんの3人が軽傷及び重傷を負ったが、チャイルドシートに座っていた1歳の子供にはケガはなかった。


事故の原因

 Bさんがハンドル操作を誤り、センターラインをはみ出したことが事故の原因である。他の乗員がケガをしたのに子供が無傷ですんだのは、チャイルドシートに着座していたからだと考えられる。


この事故から学ぶこと

 欧米ではチャイルドシートの普及が進んでいるが、残念ながら日本では、その普及はまだまだ進んでいない。チャイルドシートを車に装着していても、子供が嫌がるなどの理由により、実際に使っていない人も少なくないようだ。チャイルドシートなしで子供を車に乗せる危険性を理解し、チャイルドシートに必ず着座させるようにしたい。また、チャイルドシートに正しく着座することを子供に教えることは、大人になった時にシートベルトを正しく着用する習慣の基礎になると考えられる。

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高校生と二輪車事故

事故の概要
 平日の午後6時頃、高校生A君(17歳)は、50ccのオートバイに乗ってアルバイト先へ 向かっていた。信号機のある交差点に差しかかった時、A君の進行方向の信号は黄色から赤に変わったところだったが、A君は交差点に進入した。一方、交差している道路で信号待ちをしていたBさん(50歳)は、信号が青に変わるのを見て発進した。A君はBさんの乗用車を発見してブレーキをかけたが間に合わず、2台は衝突した。この事故によりA君は頭を強く打って死亡した。事故の時、A君はヘルメットを自分のオートバイに積んでいたが、頭にかぶっていなかった。


事故の原因

 赤信号であったにもかかわらず、A君が交差点に進入したことが事故の第一の原因である。事故の時、A君はアルバイトの開始時間に遅れないように先を急いでいたらしいが、A君は死亡しているので、A君が信号を見落としたのか、赤信号を承知で交差点に進入したのかははっきりしない。一方、Bさんのほうも交差道路から車が来ないかを確認してから発進すべきであったといえる。また、A君がヘルメットを着用していなかったことも事故による被害を大きくした要因といえる。


この事故から学ぶこと

 二輪車事故は、高校生くらいの年代の若者に多い事故形態である。交通事故により死亡した16〜19歳の者のうち47%が二輪車事故(原付を含む)により死亡している。若い運転者は無理な運転をしがちである。二輪車を運転する時は、交通法規を守り、余裕を持った運転を心がけたい。また、ヘルメットを正しく着用することは、万一の事故の時に、被害を軽減する効果があることを忘れてはならない。

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高齢運転者に多い事故原因

事故の概要
 日曜日の午後3時頃、Aさん(67歳)は自分の乗用車に家族3人を乗せてドライブの途中だった。直線道路を走行していたところ、車は突然センターラインをはみ出した。ちょうど、大型トラックが対向して走って来て、Aさんの乗用車は大型トラックと衝突した。この事故により、Aさんと、後部座席に同乗していたAさんの母親が死亡した。


事故の原因

 Aさんがセンターラインをはみ出したのが、この事故の原因である。しかし、Aさんがなぜセンターラインをはみ出したのか明らかでない。助手席に乗っていた家族の証言によると、車が突然対向車線の方に寄っていったという。この家族の話によると、なぜ、センターラインをはみ出したかは分からないが、おそらく、一瞬頭がボーッとしたのではないかという。


この事故から学ぶこと

 高齢運転者の事故原因を調べると、最高速度違反などの無謀運転が原因の事故は少ない一方で、前方不注意やハンドル操作不適などによる事故が多い。事故事例を調べてみると、どうして、このような状況下においてこのような運転行動をしたのか理解しかねる事故が少なくない。安全だと思う状況でも気を抜かずに運転する必要があると考えられる。 また、Aさんは、これまで事故・違反歴がほとんどない優良運転者で、普段から慎重な運転ぶりだったという。長年、事故や違反を起こした経験がない場合でも、年をとったらより注意深い運転を心がけたいものである。

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