《検証》
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事故の概要
平日の夜、Aさんは乗用車を運転し、高速道路を通行していた。高速道路は2車線で、Aさんは追い越し車線を走行していた。Aさんは走行中に目に違和感を感じたので、目をこすったりしたが、違和感が解消しないため少しの間だけ目を閉じた。Aさんが再び目を開けたところ、前を走行していた車が混雑のために減速していた。Aさんは、慌ててブレーキを踏んだが間に合わず、前車に追突した。
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事故の原因
Aさんが、走行中に目を閉じたことが事故の原因である。自動車の運転では、視覚の役割は非常に重要である。とくに高速道路では、少しの脇見が重大な事故の原因となるため、常に前方の様子に気を配っておく必要がある。病気が原因などで、目の機能が低下した状態で車を運転することは危険である。
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この事故から学ぶこと
目の病気は高齢者に多く、元気な高齢者であっても、本人が気づかないうちに目の病気が進行している場合がある。高齢者に多い目の病気には、水晶体が濁る白内障、視神経の障害が原因で生じる緑内障、糖尿病が原因で網膜の機能が低下することによる視力の低下などさまざまなものがある。目に異常を感じたら、放置せずなるべく早く専門医の診断を受けるのがよい。 |
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事故の概要
平日の夕方、A君は原付を運転し、片側1車線の道路を通行していた。道路は渋滞していたので、A君は停止している四輪車の左側を通行していた。信号機のある交差点を通過した後、1台の乗用車の後ろから接近し、この乗用車の左側を通行しようとしたところ、乗用車の後のドアが開いた。A君は急ブレーキをかけたが間に合わず、ドアに衝突した。
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事故の原因
乗用車の後部座席の乗員が、不用意にドアを開けたことが事故の原因である。ドアを開けたのは、乗用車に同乗していた小学生の男の子であった。
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この事故から学ぶこと
ドアを開ける前には、後方から接近してくる他の車両の妨げにならないかを確認しなければならない。子どもを同乗させているときは、子どもが不用意にドアを開けないように運転者は注意する必要がある。
衝突する側にとって、渋滞で停車中の車両のドアが開くというのは、予測が難しい事象であるかもしれないが、このような事故で被害が大きくなるのは、衝突する側の二輪車や自転車である。停車している車両の側方を通過する際には、不意にドアが開く可能性を頭に置いて通行する必要がある。 |
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事故の概要
平日の夕方、A君は、自転車に乗って帰宅する途中であった。A君は、片側が2車線ある道路の右側を通行していた。前方から、二輪車が接近してくるのが見えたが、二輪車が自分を避けてくれると考え、A君は、そのまま直進した。ところが、二輪車を運転していたBさんは、脇見をしていてA君の自転車に気づいていなかった。2台は、互いに避けることをせずに接近し、そのまま、正面衝突してしまった。
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事故の原因
A君が、道路の右側を通行していたことが事故の原因である。右側を通行していたのは、A君が帰宅を急いでいて、家に帰るには、右側を通行したほうが近道だったからだと考えられる。この道路の両側には、自転車通行可の歩道が設置されていたから、歩道を通行することもできたはずである。一方、運転中に脇見をしていた、Bさんの状況判断にも、大きな問題があったと言える。
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この事故から学ぶこと
片側が2車線あるような、交通量も多く、幅員の広い道路では、右側通行の自転車が、自車に対向して走ってくることを、常に予測している運転者は少ないと考えられる。危険を予測していないと、発見が遅れがちとなり、発見しても急に対応できないことになる。事故になった場合、より大きな傷害を受けるのは自転車のほうである。ルールを守るということは、相手に発見してもらい、回避してもらう、という点でも大きな意味がある。 |
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事故の概要
平日の午後、Aさんは、大型トラックを運転して幅員が狭い道路を通行していた。前方の左側に自転車が走っており、また、前方から大型車が接近してくるのが見えた。AさんはBさんの自転車を追い越すと同時に、対向車とすれ違うタイミングであったが、Aさんはそのまま進行した。狭い道であったため、大型車とのすれ違いは、幅員に余裕があまりなかった。Aさんが対向車を注視しながら進行したところ、何かが自車の後部にぶつかる衝撃を感じ、サイドミラーを見た。そこには、転倒した自転車とBさんが見えた。Aさんはトラックを停車させ、慌ててトラックから降りた。
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事故の原因
Aさんが、自転車を追い越すのと同時に対向車とすれ違えると判断したことが事故の原因である。その場に停車するか、速度を緩めるかして、対向車を先に通し、その後に自転車を追い越すべきであったと言える。
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この事故から学ぶこと
最近では、歩車道の整備が進み自転車が安全に通行できる場所が増えた。しかし、この事例のように自転車と四輪車が接触事故を起こす危険性がある道路はまだ多く残っている。駐車車両があると事故の危険性がより高くなる。大型車と自転車が接触する場合は、自転車が後輪に巻き込まれること等により被害が大きくなる場合がある。
大型車が多く、幅員の狭い道路はなるべく通行を避けるのが賢い方法であるが、やむを得ず通行するときは、後続の四輪車に注意し、危険を感じた場合は、四輪車を先に追い越させる等の方法が有効である。 |
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事故の概要
平日の夜、Aさんは乗用車を運転し、右折レーンのある交差点を右折しようとしていた。前方から、接近してくる二輪車のヘッドライトを認めたが、二輪車の走行位置は交差点から遠く、自分が先に右折できると判断し、Aさんは右折を開始した。ところが、この二輪車は、Aさんが考えていたよりも早く交差点に接近してきた。Aさんは危険を感じてブレーキを踏み、二輪車を運転していたBさんも、Aさんの四輪車に気づいてブレーキを操作したが間に合わず、2台は衝突した。
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事故の原因
Aさんが、接近する二輪車の位置と速度に関する判断を誤ったのが事故の原因である。一方、乗用車は自分が交差点を通過してから右折する、と判断していたBさんのほうにも油断があったと言える。
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この事故から学ぶこと
衝突する相手を認知していながら、速度や位置に関する判断を誤り、事故になるケースが少なくない。夜間は、背景との関係を手掛かりにして、相手の速度や位置を判断しにくいため、速度や位置に関する判断が難しくなる。手掛かりが乏しい場合に陥りやすいのは、自分の都合のよい判断をしがちなことである。すなわち、交差点を早く右折したい、あるいは、道路を早く横断したいと考えていると、接近してくる相手の速度を実際より遅く、あるいは、相手の位置を実際より遠くに判断しがちである。速度や位置の判断が難しい状況下では、自分に都合のよい、安易な判断をしないように自戒すべきである。 |
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