交通安全指導事例集
その7. テーマ 自動車の停止距離

   指導項目

 1.一時停止をしない時の危険
 2.運転者の話
 3.飛び出しと停止距離
 4.安全な行動 
 指導のねらい   自動車の速度により停止距離が違うことを知らせ、 横断時の安全確認やその場に応じた適切な行動ができるようにさせる。 
−進め方−
1.一時停止をしない時の危険
  

 ◆学習内容

・信号のない横断歩道や路地で、一時停止をしなかったり、飛び出したりした時の危険について話し合う。

 

 ●指導上の留意点

・自分の経験などをもとにして話し合わせる。
・歩行中の交通事故の原因で”飛び出し”が最も多いことを強調する。

2.運転者の話
  

 ◆学習内容

・運転者の話をもとに危険なわけについて考える。
 →子供が急に飛び出して来て、慌ててブレーキをかけても車が止まらず、大きな事故になったことがありました。

 

 ●指導上の留意点

・自動車の停止距離について、「間に合う」と思っても、事故に遭うことや運転者が自動車を止めようとしてブレーキをかけてもすぐに止まることができないことを強調する。

3.飛び出しと停止距離
  

 ◆学習内容

・飛び出しと自動車の停止距離の関係について考える。

  《自動車の時速と停止距離》

  *乾いた舗装路面で急ブレーキをかけた場合の最短の

      停止距離 

     時速   止まるまでの距離

     20km →     9m  

     30km →    14m

     40km →    22m

     50km →    32m

     60km →    44m

 

 ●指導上の留意点

・停止距離は、自動車のスピードや天候によっても違うことを教える。

4.安全な行動
  

 ◆学習内容

・自動車はすぐに止まれないことをもとに安全な横断の仕方を考える。

 

 ●指導上の留意点

・一時停止と、余裕ある行動が安全につながることを理解させる。

 

この指導事例は月刊誌「交通安全教育」の中の“教育現場ですぐに役立つ展開例”をもとに当協会においてインターネット向けに再編集したものです。  詳しくは同誌1997年10月号をご覧下さい。

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その8. テーマ いろいろな道路標識

   指導項目

 1.「一時停止」の道路標識の意味 
 2.「一時停止」の道路標識での行動
 3.その他の道路標識 
 指導のねらい   身近にある道路標識について、意味を理解させ、その標識に従った 行動ができるようにさせる。 
−進め方−
1.「一時停止」の道路標識の意味 
  

 ◆学習内容

・道路標識「一時停止」の意味について話し合う。
 →「一時停止」の道路標識は、どんな場所にあるか話し合う。
 →道路標識「一時停止」の意味について話し合う。

1.一時停止をしない時の危険
  

 ◆学習内容

・信号のない横断歩道や路地で、一時停止をしなかったり、飛び出したりした時の危険について話し合う。

 

 ●指導上の留意点

・「一時停止」の道路標識(実物大)を見せて考えさせる。
 一時停止 

2.「一時停止」の道路標識での行動
  

 ◆学習内容

・道路標識「一時停止」のあるところでの行動の仕方について考える。
→道路標識「一時停止」では、どんなことに気をつけたらよいか考える。
→道路標識「一時停止」のあるところではどんな行動をとったらよいか考える。

 

 ●指導上の留意点

・「飛び出し」の学習を思い出させ、いったん止まり、右・左・右を見て安全を確かめることを理解させる。

3.その他の道路標識
  

 ◆学習内容

・「一時停止」の道路標識の他にはどんな標識があるか話し合う。
 →ふだんの生活から身近な道路標識を挙げ、その意味を考える。
 →その道路標識のある場所ではどんな行動をとったらよいか考える。

 

 ●指導上の留意点

・身近な道路標識の中で、「歩行者横断禁止」「自転車通行止め」「歩行者通行止め」を取り上げる。

 歩行者横断禁止 自転車通行止め 歩行者通行止め 

 

この指導事例は月刊誌「交通安全教育」の中の“教育現場ですぐに役立つ展開例”をもとに当協会においてインターネット向けに再編集したものです。  詳しくは同誌1997年11月号をご覧下さい。

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その9. テーマ 自転車の安全点検 

   指導項目

 1.整備不良の自転車に乗った時の危険
 2.ブレーキが効かない自転車に乗った時の危険
 3.自転車の安全点検 
 指導のねらい   自転車に乗る前に、自転車のどこをどのように安全点検したらよいか理解させ、 整備された自転車の乗用を習慣化させる。 
−進め方−
1.整備不良の自転車に乗った時の危険 
  

 ◆学習内容

・ブレーキなどが効かなかったら、どんな事故になるか話し合う。
 →ブレーキが効かなかったら
 →ハンドルがぐらぐらしていたら
 →タイヤの空気が抜けていたら
 →ベルが鳴らなかったら

 

 ●指導上の留意点

・児童の経験をもとに、またはスピードを出していて、事故に遭いそうになることを想起させながら話し合わせる。

2.ブレーキが効かない自転車に乗った時の危険
  

 ◆学習内容

・ブレーキが効かない自転車に乗った時の危険について考える。

 

 ●指導上の留意点

・作文を読み、その危険について考えさせる。

−作文−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ぼくは、自転車のブレーキが少し効かなくなってきたのを、「まだ、だいじょうぶ」 と思って、そのまま乗っていました。学校から帰って、友達の家に行くため、ゆるい坂を走っているとだんだんスピードが出てきました。前に車が見えたので、ブレーキを強くかけても止まらないのでびっくりして、ハンドルをきるとふらついてガードレールにぶつかり止まることができました。ぶつかった時、ひざを少しぶつけましたが、もし止まらないで車にぶつかっていたらと考えると、ブレーキを早くなおしておけばよかったと思いました。
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3.自転車の安全点検
  

 ◆学習内容

・安全点検は、どこを、どうすればよいかを考える。

 

 ●指導上の留意点

・実物の自転車で点検箇所を考えさせ、点検の仕方を確認させる。
・下校後、自分の自転車を点検するように指導する。

 

この指導事例は月刊誌「交通安全教育」の中の“教育現場ですぐに役立つ展開例”をもとに当協会においてインターネット向けに再編集したものです。  詳しくは同誌1997年12月号をご覧下さい。

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その10. テーマ ふみきり事故

   指導項目

 1.踏切の危険
 2.踏切事故の原因と安全な行動
 3.校庭での練習 
 指導のねらい   遮断機のある踏切や遮断機のない踏切などの特徴を理解して、それぞれの踏切での安全な行動がとれるようにさせる。 
−進め方−
1.踏切の危険
  

 ◆学習内容

・踏切では、どんな危険があるか話し合う。
→踏切を待つ時・渡る時の危険について、見たり聞いたりしたことや自分の体験を話し合う。

 

 ●指導上の留意点

・自分の周りのことの他、ニュースで聞いたり見たりしたことを事前にまとめさせておく。

2.踏切事故の原因と安全な行動 
  

 ◆学習内容

・踏切事故の原因を考える。
 →踏切の事故事例を聞き、事故の原因を考える。

・その他に、どんな事故や危険な行動があるか考える。
 →電車が通り過ぎた後
 →遮断機が降りた後
 →遮断機のない踏切

・安全な踏切の待ち方や渡り方を学ぶ。

 

 ●指導上の留意点

・それぞれの踏切での危険な行動が悲惨な事故に結びつくことに気づかせる。
・踏切の種類や状況に応じた安全な行動を理解させる。   
・作文を読み、その危険について考えさせる。

−作文−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 学校の帰りに友達と野球公園で遊ぶやくそくをしました。家にカバンを置いて野球公園に行くとちゅう、ふみきりのけいほうがなり、しゃだんきがおり始めました。前にいた人がおりかけたしゃだんきの下をわたりました。ぼくも、あとを追いかけるようにしゃだんきをくぐりぬけ、ふみきりをわたりました。すると、右手から電車が近づいてきました。ぼくは、びっくりしてもどりました。その日のニュースで、小学生がしゃだんきをくぐり、電車にはねられた事故がありました。ぼくは、また、びっくりしました。
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3.校庭での練習
  

 ◆学習内容

・学習したことをまとめ、校庭で練習をする。

 

 ●指導上の留意点

・練習をもとに学習を振り返り、実践に結びつける。

この指導事例は月刊誌「交通安全教育」の中の“教育現場ですぐに役立つ展開例”をもとに当協会においてインターネット向けに再編集したものです。  詳しくは同誌1998年1月号をご覧下さい。

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その11. テーマ 雪の日の道・凍った道

   指導項目

 1.寒い日の道路と歩行の危険
 2.寒い日の道路と運転する人の危険
 3.寒い日の安全な歩行
 指導のねらい   雪の日や道路の凍った寒い日などは、道路歩行の危険が増すことを理解させ、安全な歩行ができるようにさせる。 
−進め方−
1.寒い日の道路と歩行の危険
  

 ◆学習内容

・寒い日には、道路はどんな様子になるか話し合う。
 →雪が降った道路の危険について話し合う。
 →凍った道路の危険について話し合う。

 

 ●指導上の留意点

・通学路や生活範囲内の身近なことを取り上げ話し合わせる。

2.寒い日の道路と運転する人の危険 
  

 ◆学習内容

・雪が降ったり、凍ったりした道路を運転する時の危険について考える。
 →運転者の話を聞いて、寒い日の危険について考える。
 →どんな危険があるかまとめる。

 

 ●指導上の留意点

・車を運転する立場での危険を知り、関心を高める。
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 寒い日に運転するのは、とても疲れるんだよ。それに、とても危険なんだ。どうしてかと言うと、車の窓ガラスが曇ってよく見えないことがあるんだよ。それに、雪の降った時には道幅が狭くなって走りにくいし、雪が凍った時には、車は滑りやすくなって、ハンドルが自由にならずブレーキをかけても止まらないこともあるんだよ。だから、寒い日に運転するのは、とても気を使うので疲れるんだよ。
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3.寒い日の安全な歩行
  

 ◆学習内容

・雪が降ったり、凍ったりした道路を歩行する時に気をつけることを考え発表する。
 →雪が降った時に気をつけること。
 →凍った道路で気をつけること。

 

 ●指導上の留意点

・それぞれの発表を、板書してまとめ、行動の徹底化を図る。

この指導事例は月刊誌「交通安全教育」の中の“教育現場ですぐに役立つ展開例”をもとに当協会においてインターネット向けに再編集したものです。  詳しくは同誌1998年2月号をご覧下さい。

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その12. テーマ 安全のはんせい

   指導項目

 1.事故の例
 2.安全な生活の反省
 3.これからの生活 
 指導のねらい   安全な生活を振り返り、危険行動の反省をするとともに、今後の安全な行動について考えさせる。 
−進め方−
1.事故の例
  

 ◆学習内容

・事故事例をもとに、その原因について考える。

 

 ●指導上の留意点

・事故の原因分析を通して、日常の危険な行為に気づかせる。

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 ぼくは、2学期に自転車の2人乗りをして、けがをしたことがあります。友達を自転車の後ろに乗せ、道路を曲がろうとしたとき急にハンドルをきったら、自転車がふらついてその場に転んでしまい2人ともうでや足をすりむいてしまいました。自転車の2人乗りはいけないと知っていましたが、これからはぜったいにしないよう気をつけようとおもいました。
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2.安全な生活の反省
  

 ◆学習内容

・どこで、どんなけがをしたか、また「ハッ」としたことを話し合う。
 →歩行中での出来事。
 →自転車乗用中の出来事。

・友達の行動で、危険な行為や安全が守られていないような行為について話し合う。
 →歩行中での出来事。
 →自転車乗用中の出来事。

 

 ●指導上の留意点

・危険だと知りながら、安全行動がとられていないことを取り上げるようにする。
・友達同士の甘えや乱暴な行為があったら具体的に取り上げる。

3.これからの生活
  

 ◆学習内容

・交通事故をなくして、安全な暮らしをするにはどんなことに気をつけたらよいか考える。
 →自分のめあてをカードにまとめる。

 

 ●指導上の留意点

・自分のめあてをカードにまとめさせ、発表させる。
・カードを提示し、定期的に確認する。

この指導事例は月刊誌「交通安全教育」の中の“教育現場ですぐに役立つ展開例”をもとに当協会においてインターネット向けに再編集したものです。  詳しくは同誌1998年3月号をご覧下さい。

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