子どもの無理な横断による歩行者事故
事故の概要
平日の夕方、小学生のAさんは、習い事の帰りにバスを降りて道路を横断しようとしていた。Aさんは、近づいて来る乗用車に気づいていたが、自分のほうが先に横断できると判断し、走って横断しようとした。しかし、これは無理な横断でありAさんと乗用車は衝突してしまった。Aさんは、おなかがすいていたので早く家に着きたかったとのことである。
事故の原因
Aさんが、無理な横断を試みたことが事故の原因であると考えられる。また、乗用車を運転していたBさんが、十分な危険予測をしなかったことも事故の原因となったと考えられる。Bさんは、停車しているバスから降りた子ごもが横断したそうにしているのを発見し、速度を落としたと言うが、Aさんの横断には対処できなかったらしい。事故が発生したとき、周囲は夕方で、暗くなっており、相手の様子や速度を判断しにくい状況であったことも、事故発生の間接的な要因になったと考えられる。
この事故から学ぶこと
小学生以下の子どもの事故例を調べていると、車道に飛び出して車と衝突する事故を目にする。このような事例を調べてみると、子どもが飛び出しをするときは、気分が高揚していたり、他のことに心を奪われているときが多いようだ。友達を追いかけようとするときや友達とのおしゃべりに夢中になっているときにも、飛び出しの起こることが多い。落ち着いているときは安全な横断をしている子どもでも、気分が高揚していたり、何かに夢中になっていたりすると無理な横断をしたり安全確認を省略してしまう傾向があるようだ。このような事故が起こらないように、十分指導を行いたいものである。
No.398 1999年 6月号
一覧へ戻る