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交通事故事例 事故は何故起こったか

《検証》

 

子どもの無理な横断による歩行者事故

事故の概要
 平日の夕方、小学生のAさんは、習い事の帰りにバスを降りて道路を横断しようとしていた。Aさんは、近づいて来る乗用車に気づいていたが、自分のほうが先に横断できると判断し、走って横断しようとした。しかし、これは無理な横断でありAさんと乗用車は衝突してしまった。Aさんは、おなかがすいていたので早く家に着きたかったとのことである。


事故の原因

 Aさんが、無理な横断を試みたことが事故の原因であると考えられる。また、乗用車を運転していたBさんが、十分な危険予測をしなかったことも事故の原因となったと考えられる。Bさんは、停車しているバスから降りた子ごもが横断したそうにしているのを発見し、速度を落としたと言うが、Aさんの横断には対処できなかったらしい。事故が発生したとき、周囲は夕方で、暗くなっており、相手の様子や速度を判断しにくい状況であったことも、事故発生の間接的な要因になったと考えられる。


この事故から学ぶこと

 小学生以下の子どもの事故例を調べていると、車道に飛び出して車と衝突する事故を目にする。このような事例を調べてみると、子どもが飛び出しをするときは、気分が高揚していたり、他のことに心を奪われているときが多いようだ。友達を追いかけようとするときや友達とのおしゃべりに夢中になっているときにも、飛び出しの起こることが多い。落ち着いているときは安全な横断をしている子どもでも、気分が高揚していたり、何かに夢中になっていたりすると無理な横断をしたり安全確認を省略してしまう傾向があるようだ。このような事故が起こらないように、十分指導を行いたいものである。

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二輪車の被視認性と事故

事故の概要
 高校生のA君は、400ccの自動二輪車に乗って、片側1車線の道路を走行していた。駐車場のある店舗に近づいたとき、A君は、右のウインカーを出しながら減速しつつある対向車(乗用車)を発見した。A君は、この乗用車が店舗の駐車場に入るために右折しようとしているのだと理解したが、乗用車は自分が通り過ぎてから右折するものと判断し、減速せずに乗用車の前を通り過ぎようとした。しかし、乗用車を運転していたBさんは、A君の自動二輪車を見落としており、安全に右折できると考えて右折を開始した。A君は、乗用車が右折を開始したのを見て、慌てて急ブレーキをかけたが間に合わず2台は衝突した。


事故の原因

 Bさんが、対向車をよく確認せずに右折を開始したことが事故の原因である。一方、A君が、乗用車の運転者は自分の二輪車をよく見ていて、自分が通り過ぎるまで右折しないと誤った判断をしたことも事故につながったと考えられる。


この事故から学ぶこと

 二輪車は、四輪車に比べて車体が小さいので、四輪車から見落とされやすい傾向があるようだ。二輪車からは相手の四輪車がよく見えていても、四輪車の運転者が二輪車に気づいていないこともある。二輪車を運転する場合は、自分が相手から見られているかを注意しながら運転するべきである。

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後部座席の幼児にもチャイルドシートを

事故の概要
 Aさんはワゴン車に家族を乗せて郊外の山道を走っていた。時速約60kmで右カーブにさしかかったところ、路面が雪で滑りやすくなっていたためにタイヤがスリップした。ワゴン車は道路左側の斜面に衝突した後に横転して停止した。Aさんと助手席の乗員はシートベルトをしていてケガはなかったが、後部座席に乗っていた母親と、この母親に抱かれていた1歳になる女の子が衝突の衝撃で車外に放出された。母親は重傷を負い、女の子は頭を強く打って死亡した。


事故の原因

 Aさんがカーブにおいて、タイヤをスリップさせたことが事故の原因である。路面が滑りやすかったにもかかわらず、速度を落とさずにカーブを曲がろうとしたことがスリップの原因であると考えられる。 また、後部座席の母親と女の子がシートベルトやチャイルドシートをしていなかったことが、被害の程度を大きくしたと考えられる。


この事故から学ぶこと

 最近、ワゴン車に乗る人が増えている。ワゴン車に家族を乗せて買い物やレジャーに出かける光景をよく目にするところである。運転席と助手席の乗員はシートベルトをしていても、後部座席の子どもには、チャイルドシートを着用させず、大人に抱っこさせたり、席に座らせずに遊ばせておく人も多いようだ。後部座席は、チャイルドシートやシートベルトを着用しなくても安全だと考えている人もいるようだが、それは全くの誤りである。この事例のようにチャイルドシートを着用していない子どもの被害が大きくなる場合が少なくない。子どもを乗車させるときには必ずチャイルドシートを着用させたいものである。

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高速道路における事故

事故の概要
 夜間の雨の日、大型貨物車で高速道路の追い越し車線を走行していたAさんは、突然、前方に斜めに停止している乗用車を発見した。Aさんはあわててハンドルを右に切り、停止していた乗用車との衝突をなんとか回避したものの、中央分離帯付近に立っていたこの車両の運転者であるBさんに気づかず、Bさんと衝突してしまった。Bさんは頭を強く打ち死亡した。


事故の原因

 Aさんが漫然と走行し、事故で停止していた乗用車に気づくのが遅れたことが事故の原因である。Aさんによれば、前を走行する車を見ていたが、そのほかのことにはあまり注意を払っていなかったという。 事故に遭って自分の車が動けなくなったBさんが、安全な場所に避難していなかったことも、事故の被害が大きくなった原因であるといえる。


この事故から学ぶこと

 高速道路は快適に走行できるので、安心して走行しがちであるが、注意を怠って走行すると思わぬ事故に遭うことがある。 また、万一事故に遭ったり、故障するなどして車が高速道路上から動けなくなった場合は、柵の外に出るなどして、安全な場所で救助を待つようにしたい。車内に残っていたり、道路内にとどまっていると後続の車に衝突されることがあるので大変危険である。

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自転車と左折車の事故

事故の概要
 平日の夕方、学校から自転車に乗って帰宅途中であったA君は、交通量の多い大きな交差点に差しかかった。A君はこの交差点を横断するつもりだったので、信号が青に変わったため、横断を開始した。A君は、横断する前に交差点を左折して来るB車を認めていたが、B車は横断歩道の前で停止して自分を先に通してくれると考え、A君はそのまま横断した。ところが、B車の運転者は、横断を始めたA君に気づいていなかったため2台は衝突した。


事故の原因

 B車の運転者が、左折方向の横断歩道方向に注意せず、漠然と左折したことが事故の原因である。B車の運転者がA君の自転車に気づいたのは、衝突する直前であった。


この事故から学ぶこと

 信号機がある交差点では、右左折する自動車と自転車との事故が起こりやすい。自転車に乗る人にとって、特に注意が必要な場所であるといえる。信号を守り、無理な横断をしないことはもちろんであるが、青信号に従って進行する場合でも、他の車の動きに注意しながら進行することが重要である。事故に遭わないようにするには、自分が交通法規を守るだけでなく、防衛的な運転も重要である。また、自動車を運転する人は、前車や対向車などに注意するだけでなく、自転車や歩行者の動きに注意して進行する必要がある。

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