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交通事故事例 事故は何故起こったか

《検証》

 

親子でシートベルト着用を

事故の概要
 平日の午後、Aさん(40歳代の女性)は、ラジオを聞きながら乗用車を運転し、直線道路を時速約50kmで走行していた。雨が強く降っており、道路上には、水が溜まっている場所があった。Aさんは、減速しようとしてブレーキをかけたところ、ブレーキが強すぎてタイヤがスリップし、車が左を向いた。Aさんが、あわてて右にハンドルをきったところ、Aさんの乗用車はセンターラインを越え、対向して走ってきたBさん(40歳代の女性)の乗用車と衝突した。この乗用車の後席には、小学校2年生になるBさんの子どもが乗っていた。


事故の原因

 Aさんが、適切な運転操作をしなかったことが事故の原因である。スリップが予想される状況であったから、いつもより慎重な運転操作をするべきであった。 また、BさんとAさん、小学校2年生の男の子の3人全員が、シートベルトをしていなかった。大怪我をした人はいなかったが、3人とも頭や胸を打っており、衝突の衝撃がもう少し大きければ、被害が大きくなった可能性は高い。


この事故から学ぶこと

 日ごろ、親がシートベルトをしていなければ、子どもがシートベルトやチャイルドシートをすることは少ないだろう。反対に、親がシートベルトをしていれば、子どもはシートベルトをする可能性は高くなる。シートベルトの着用率向上は、家庭における習慣が重要な役割を持っていると考えられる。家族全員がシートベルトをするようにしたいものである。

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カーナビ使用中の事故

事故の概要
 高速道路のパーキングエリアで昼食を済ませたAさんは、自分の車に戻ろうとしていた。駐車場を横断中に、1台の車が接近してきたが、この乗用車は停車してAさんに進路を譲ってくれたので、Aさんは横断を続けた。そのとき、もう1台の乗用車が停止した乗用車の脇からAさんのほうに接近してきた。この車の運転者であるBさんは、カーナビゲーションの画面を注視していて、横断しているAさんに気がつかなかった。助手席乗員が「危ない」と叫んだのを聞いて、Bさんは、あわててブレーキを踏んだが、間に合わず、Aさんと乗用車は衝突した。


事故の原因

 Bさんが、カーナビの画面を見ていて脇見をしていたのが事故の原因である。高速道路のパーキングエリアは、車から降りてくる人や、休憩が終わって車に戻る人が多くいる場所であるから、当然、歩行者に注意しながら走行すべき場所である。不用意にカーナビを注視していたAさんの過失は大きいといえる。


この事故から学ぶこと

 21世紀には、自動車に搭載される情報機器が増えると予想される。目的地の情報や渋滞の情報等が情報機器により提供され、現在以上に便利になるだろう。しかし、情報機器の使い方を誤ると交通事故の危険性が高くなる。運転者に情報を伝える安全な方法を考案することが情報機器と車を開発する側の課題となるだろう。運転者の側は不用意に機器を操作したり、画面を注視することにより、脇見運転や漫然運転と同じ状態をつくり出さないように注意すべきである。

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飲酒運転による居眠り事故

事故の概要
 午前0時ごろ、Aさんは友人2人と自宅で飲酒した後、乗用車を運転して買い物に出かけた。直線道路を走行中に、Aさんは居眠り状態になった。乗用車の進路上には、普通トラックが停車していたが、Aさんは居眠り状態のまま、普通トラックの後部に衝突した。


事故の原因

 Aさんが、飲酒運転をしたことが事故の原因である。夜間で視認性は悪かったと考えられるが、事故現場付近は見通しのよい直線道路であって、普通トラックは非常点滅させて停車していた。片側の幅員は約4mあったから、トラックに気づいていれば、事故を十分回避することができたと考えられる。なお、最高速度は40km/hに規制されていたが、衝突直前の乗用車の速度は、約80km/hであった。


この事故から学ぶこと

 飲酒運転による交通事故は、夜間の交通事故の約4分の1を占めている。飲酒運転は、夜間に発生する事故の最も大きな原因の1つである。飲酒運転はさまざまな悪い影響を及ぼす。飲酒により反応の速さや正確さが低下するほか、飲酒をすると速度超過などの危険な運転をしやすくなる。また、この事故のように、居眠り運転が多くなる。 飲酒運転の防止は、ずっと以前から取り組まれてきた課題であるが、行うべきことはまだ多く残っている。今後も、飲酒運転の防止に関する交通安全教育を続けていく必要がある。

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進路変更時の安全確認

事故の概要
 普通トラックを運転するAさんは、取引先に荷物を届けるために、トラックを道路左側に停車させようとしていた。時速20Kmに減速し、サイドミラーを使って後方を確認したところ、後方から接近する車両は見えなかった。Aさんは、方向指示器を出したが、駐車車両があったので、しばらく直進してからハンドルを左にきった。このとき、Bさんの二輪車が、Aさんのトラックのすぐ後方に接近していた。Aさんのトラックの側面にBさんの二輪車が衝突した。


事故の原因

 Aさんが、後方を確認しないで、左に進路を変更したことが事故の原因である。安全確認をしてから、少し時間をおいて車線変更を行っているから、Aさんは、もう一度安全確認を行うべきであった。 また、前方に左ウインカーを出して低速で走行しているトラックがあったにもかかわらず、トラックの左側を追い越そうとしたBさんの行動にも問題があった。


この事故から学ぶこと

 進路を変更するときに、後方の安全確認は非常に重要である。なんらかの理由により、安全確認の直後に進路変更できない場合は、ハンドルを切る直前に、安全確認をもう一度行う必要がある。運転者にとって、ほとんど時間が経過していないように思えても、その間、周囲の状況が変化し、危険な場面に変わっている可能性がある。 また、他の車両が同じ速度で併走しているときなどは、ミラーの死角に車が入ってしまうことがあるので、ミラーだけではなく、目視による安全確認が必要である。

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自転車に乗るときは安全な通行方法で

事故の概要
 平日の夜遅く、塾から家に帰る途中、中学生のA君は、自転車で走行中に道路の向こう側へ渡ろうとしていた。ちょうどそのとき、A君の進行方向の反対方向から、Bさんの運転する乗用車が走ってきた。BさんがA君の自転車を発見するのが遅れたため、乗用車は自転車と衝突した。


事故の原因

 Bさんが速度を出し過ぎていたうえ、前方をよく見ていなかったことが事故の原因である。事故が起きた道路の制限速度は時速40Kmであったが、A君を発見する直前、Bさんの車は時速70Kmで走行していた。事故が起きた場所は登り坂の頂上付近であり、乗用車からは、前方の安全を確認するのが難しかったと考えられる。このような場所では速度を落として通過すべきである。 A君の行動にも問題がなかったわけではない。登り坂の頂上付近には横断歩道があった。横断歩道がある場所は、坂の両側からも見やすい場所である。乗用車が自転車と衝突した場所は、横断歩道から約10mの地点であった。もし、A君が、安全な場所で横断していれば、事故に巻き込まれなかった可能性もある。


この事故から学ぶこと

 無謀運転の乗用車がいつ走ってくるかわからない。なるべく安全な方法で道路を通行し事故に巻き込まれないようにすることが賢明である。自転車通行可の歩道があるときは歩道を走り、車道を走るときは左側を走る。また、道路を横断するときは安全な場所で横断するなどの当たり前の習慣が重要である。

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